ドラクエを変えた!?『ダイの大冒険』から逆輸入された呪文・特技3選

今回は、漫画『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』（以下、『ダイの大冒険』）からドラクエへと“逆輸入”された呪文と特技を本気で研究していきます。

出典：DRAGON QUEST -ダイの大冒険-

『ダイの大冒険』は、1990年代に『週刊少年ジャンプ』で連載された大人気漫画で、『ドラゴンクエスト』の世界観をもとにしたスピンオフ作品ですね。

勇気・友情・成長といった王道の物語が、迫力あるバトルや熱いセリフとともに描かれ、多くのファンに愛されてきました。

『ダイの大冒険』の呪文や特技の中には、のちに本家『ドラゴンクエスト』シリーズへ逆輸入されたものが存在します。

アニメや漫画で初登場した必殺技が、実際のゲームで使えるようになった瞬間は、まさにファン歓喜の出来事でしたね。

出典：DRAGON QUEST -ダイの大冒険-

本記事では、そんな逆輸入された呪文・特技の中から、個人的に特に印象に残っている3つをピクアップしてご紹介します。

逆輸入された特技「ギガスラッシュ」

この章では、『ダイの大冒険』から逆輸入された特技「ギガスラッシュ」をご紹介しますね。

出典：ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君

元ネタは『ダイの大冒険』の主人公「ダイ」の必殺技「ギガストラッシュ」です。

出典：DRAGON QUEST -ダイの大冒険-

「ギガストラッシュ」は、ダイの父「バラン」の必殺技「ギガブレイク」と、師「アバン」の必殺技「アバンストラッシュ」を組み合わせた、ダイ最強の必殺剣。

出典：DRAGON QUEST -ダイの大冒険-

出典：DRAGON QUEST -ダイの大冒険-

「ギガストラッシュ」で「ハドラー」との戦いに終止符を打つシーンは、何度見ても胸が熱くなりますよね。

ちなみに、2020年から放送されたアニメ版では、「ダイ」の背中に寄り添う「バラン」と「アバン」の姿が描かれ、“魂の継承”がより鮮明に感じられます。

出典：DRAGON QUEST -ダイの大冒険-

「ギガスラッシュ」が初めて登場したのは『ドラゴンクエストVI 幻の大地』（以下、DQ6）。

「勇者」の職業レベル6で習得でき、その後はすべてのナンバリング作品に登場する定番の特技となりました。

出典：ドラゴンクエストVI 幻の大地 公式ガイドブック 下巻(知識編） P36

DQ6では、「マダンテ」を除けば最強クラスの特技といわれ、敵1グループに350〜410という圧倒的なダメージを叩き出す必殺剣。

その威力を初めて振るった瞬間、画面の向こうで光が弾け、音が響き、まるで“世界が変わった”ような感覚を覚えたと、そう語るプレイヤーも少なくはないんですね。

出典：ドラゴンクエストVI 幻の大地

漫画『ドラゴンクエスト 幻の大地』では、「ヘルクラウド」と「デュラン」が一体化して誕生した「ヘルデュラン」を、主人公が渾身の「ギガスラッシュ」で撃破するシーンが描かれています。

出典：ドラゴンクエストVI 幻の大地 神崎まさおみ

出典：ドラゴンクエストVI 幻の大地 神崎まさおみ

この漫画は、DQ6の発売後、1997年から2001年まで『月刊少年ガンガン』で連載されました。

作画は神崎まさおみさん、単行本第3巻からは『CDシアター ドラゴンクエスト』の脚本・監督を務めた、とまとあきさんが担当。

さらに、監修には『ドラゴンクエスト』の生みの親・堀井雄二さんが名を連ねるという、まさに豪華布陣によって生み出されました。

出典：ドラゴンクエストVI 幻の大地 神崎まさおみ

漫画『ドラゴンクエスト 幻の大地』は、ゲーム本編のストーリーをベースにしながら、多くのオリジナル要素も加えられた全10巻の作品。

テンポよく読みやすい内容なので、まだ読んだことのない方は、ぜひ一度手に取ってみてくださいね。

＼第1巻から読みたい人はこちら！／

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逆輸入された特技「グランドクロス」

この章では、『ダイの大冒険』から逆輸入された特技「グランドクロス」をご紹介します。

出典：ドラゴンクエストVI 幻の大地

この特技の元ネタは、『ダイの大冒険』の登場人物で主人公「ダイ」の仲間である「ヒュンケル」の必殺技「グランドクルス」。

出典：DRAGON QUEST -ダイの大冒険-

『逆輸入された特技「ギガスラッシュ」』でご紹介した、「ギガスラッシュ」と「ギガストラッシュ」と同じく名前がよく似ていますよね。

「クルス（Cruz）」という言葉は、スペイン語やポルトガル語で「十字架」を意味し、英語の「クロス（Cross）」と同じ意味になります。

出典：『ドラゴンクエストVI 幻の大地』『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』

「グランドクロス」の初登場作品はDQ6。

「パラディン」の職業レベル8で習得でき、それ以降は『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』（以下、DQ9）を除く、すべてのナンバリング作品に登場しています。

出典：ドラゴンクエストVI 幻の大地 公式ガイドブック 下巻(知識編） P32

威力・属性・効果範囲（1グループ）・コストパフォーマンスの面では不遇で、耐性貫通力が高く、ほかの大技と比べて習得が比較的容易なため、AIが狂ったように連発するなど、難点が多い特技だったりします。

出典：ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて

そのため「グランドクロス」は、「ギガスラッシュ」のように多くのプレイヤーに愛用されているわけではありません。

しかし、派手なエフェクトや、「ヒュンケル」の必殺技が元ネタであることから、個人的な象徴性や物語性を重視するプレイヤーに支持されている特技なんです。

出典：ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち

逆輸入された呪文「メドローア」

この章では、『ダイの大冒険』から逆輸入された、みんな大好きな呪文「メドローア」をご紹介しますね。

出典：ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて

初登場はもちろん『ダイの大冒険」で、主人公「ダイ」の仲間である「ポップ」の最強呪文として活躍します。

出典：DRAGON QUEST -ダイの大冒険-

「メドローア」は、「ポップ」の師匠である「マトリフ」が、魔王「ハドラー」との最終決戦のために開発し、弟子の「ポップ」に伝授された“極大消滅呪文”。

左右の手に同じ力でメラ系とヒャド系の魔法力を同時に生み出し、それらをスパークさせることで完成します。

言葉にすると簡単そうに聞こえますが、「マトリフ」は「センスのないヤツには一生できない」と語り、同時に「決まれば無敵」とも断言。

出典：DRAGON QUEST -ダイの大冒険-

「マトリフ」から「ポップ」への伝授方法は、呪文の原理を説明しながら実演して見せたかと思えば、そのまま「ポップ」に向かって「メドローア」を放ち、「同じことをして相殺してみせろ」と言い放つというもの。

出典：DRAGON QUEST -ダイの大冒険-

かつてない強敵の出現により、短時間で習得しなければならない事情があったとはいえ、当たれば文字通り“消滅”する呪文を弟子に向けて放つのは、どう考えても無茶苦茶です。

「ポップ」は最初こそ逃げ出そうとしますが、すでに体を壊している「マトリフ」が吐血しながら大魔法を放とうとする姿を見て、師が命を懸けているのなら、自分も覚悟を決めて応えなければと決意するんですね。

出典：DRAGON QUEST -ダイの大冒険-

出典：DRAGON QUEST -ダイの大冒険-

出典：DRAGON QUEST -ダイの大冒険-

「……ありがとよ……！」

そう呟いたマトリフは、極大消滅呪文「メドローア」をポップに向かって放ちます。

果たして、ポップはこの呪文を習得できるのでしょうか――。

出典：DRAGON QUEST -ダイの大冒険-

ゲームの方では、「連携特技」のひとつとして、『ドラゴンクエストモンスターズ2 マルタのふしぎな鍵』（以下、DQM2）に初めて「メドローア」は初登場しました。

出典：ドラゴンクエストモンスターズ2 マルタのふしぎな鍵

「メラゾーマ」と「マヒャド」を組み合わせることで発動し、敵一体に700～900のダメージを与えます。

ナンバリング作品では、『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』（以下、DQ11）で、主人公と「ベロニカ」の「れんけい技」として「メドローア」が初登場。

出典：ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて

『ダイの大冒険』では、その名の通り“極大消滅呪文”として、くらえば文字通り消滅してしまいます。

一方、DQ11ではそんな物騒な効果はなく、無属性の全体攻撃として登場しました。

また、「れんけい技」であるため、弓を引き絞るような独特の構えが再現されなかったのは、少し残念なところですよね。

出典：DRAGON QUEST -ダイの大冒険-

出典：ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて

まとめ

最後に、『ダイの大冒険』からドラクエへと“逆輸入”された呪文や特技について、まとめて締めくくりますね。