ドラクエ作品

ドラクエの名言「へんじがない。ただの しかばね のようだ。」を本気で研究しました。

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タカリ

こんにちは、タカリです♪

今回は1988年2月10日に発売されたDQ3以降のドラクエ全作品とリメイク版DQ1で「死体」に向かって話しかけると、

と、短文で一気にプレイヤーを引き込み魅了する通称「堀井節」が炸裂していて、他の作品でパロディに使われることも多い非常に有名なDQの名言のひとつ、「へんじがない。ただの しかばね のようだ。」を研究していきます。

「しかばね(屍)」の意味を辞書で引くと「なきがら、死体」と出てきますが、なぜこんな日常ではあまり使われない言い回しになったのか疑問に思ったことはありませんか?

実はそれにはちゃんと理由があるんです。

ひらがな表記で「したい(死体)」とすると「~したい」(希望の助動詞)と捉えられるおそれがあるため、あえて「しかばね(屍)」という言葉を使ったと「ドラゴンクエスト名言集 しんでしまうとは なにごとだ! (原著 堀井雄二)」において明かされています。

なぜひらがな表記?漢字を使えば解決するのでは?と疑問に思った方にざっくり説明すると、「へんじがない。ただのしかばねのようだ。」の名言が生まれたのは上記した通り1988年2月10日に発売されたDQ3。

そのROM容量はたったの256KBしかなかったので漢字が使えなかったんです。(漢字どころか使えないカタカナもありました)

でも、そんな状況下だからこそ堀井雄二さんがフリーライター時代の経験や劇画村塾で学んだ経験から会得した「文字数の制限がある中で語るべきことを的確表現する」という特殊技術が遺憾なく発揮され、それに更に堀井さんの圧倒的ユーモアセンスが加わることによって生まれた数多の名言の中のひとつが「へんじがない。ただの しかばね のようだ。」なんですね。

前置きが長くなりすみません、それではどうぞ♪

【DQ1】64KBに埋もれた名言??

結論から言うとFCで発売された初代DQ1では「へんじがない。ただの しかばね のようだ。」のセリフは存在しませんが、リメイク版DQ1の「りゅうおう」撃破後に「ラダトームの町」で瀕死の重傷を負っていた兵士に話しかけると表示されるようになりました。

ラスボスであるりゅうおう撃破後なので町の住民はお祭り騒ぎなんですが、隅で放置されている亡骸が切ない。

物語開始後の兵士はまだかろうじて息があり、主人公に「ローラ姫の捜索隊は全滅したと王さまに伝えてくれ」とお願いされているので、最後までここで放置されているということは主人公が国王「ラルス16世」に報告しなかったのでしょうね、それでも勇者ロトの血をひきしものか!(笑)

初代DQ1の生き残りの兵士は宿屋に居て冒険開始前の台詞もリメイク版とほぼ同じですが、

(リメイク版では「ど…どなたかは 知らぬが」が追加されています)

りゅうおう撃破後に話しかけると兵士の死を示唆する無言が響くだけです。

恐らくですが、堀井雄二さんは初代DQ1の段階で「へんじがない。ただの しかばね のようだ。」のセリフは思いつき当然この兵士にも表示させる予定だったけど、ROM容量が64KBしかないので制限の都合上泣く泣くカットしたのではないでしょうか。

もし、そうだとしたら「へんじがない。ただの しかばね のようだ。」は64KBに埋もれた名言ということになりますね。

【DQ2】命懸けの使命を果たした兵士への専用メッセージ

結論から言うとリメイク版を含め、DQ2では「へんじがない。ただの しかばね のようだ。」のメッセージは登場しません。

FC版ではゲーム開始時に最初のセリフを発するキャラクターである「ムーンブルクの兵士」は「ローレシア王」と「ローレシアの王子」へ伝令を伝え、そのまま息を引き取ると同時に屍が消えてしまうので話しかけることはできませんが、

リメイク版では屍が残るようになったので話しかけると、「ただのしかばね」扱いはされずに専用のメッセージが聞けます。

たったひとりでハーゴンの軍勢を振り切り、ローレシアまで命懸けの伝令という使命を見事に全うした兵士への敬意を感じられる粋な演出だと思います。

【DQ3】ガイコツに話しかける意味が深いんです

本作で初めて、「へんじがない。ただの しかばね のようだ。」の名言が登場しました。

「ただのしかばね」と返ってくるのは↑のようなガイコツばかりなんですが、実は「幽霊船」で事切れている囚人からも返ってきたりします。

でも、これって冷静に考えると後者のまだ人の原型を留めている囚人に話しけているほうが自然だと思いませんか?

前者のように白骨だけの明らかな亡骸に話しける意味ってあるの?と疑問に感じていましたが、「ドラゴンクエスト名言集 しんでしまうとは なにごとだ! (原著 堀井雄二)」にその解が載っていたのでご紹介しますね。

ざっくり要約するとガイコツや死体の魔物がうじゃうじゃいる世界なので、ガイコツ=しかばね(屍)と安易に判断せず「ただのしかばね」まで確認しないと生き残れない厳しさを表現しているということですね。

実際に事切れている囚人がいる幽霊船ではDQ3で初登場したモンスター「がいこつけんし」が出現します。

確かにこんなTHEガイコツのモンスタがーはびこっている環境では、一見明らかな白骨の亡骸も「ただの しかばね」と確認するまで恐怖でしかないですよね。

私の冒険者、そして勇者としての意識の低さを痛感すると同時にドラクエの凄さを改めて強く実感しました。

【DQ4】「ただの しかばね」になっても生還したパワー系錬金術師

DQ4で初めて「へんじがない。ただの しかばね のようだ。」が表示されるのは第一章の「湖の塔」で「ピサロのてさき」を撃破後、倒れている「ライアン」の同僚に話しかけた時です。

第四章クリア直前の「キングレオ城」で倒れている「オーリン」に話しかけると表示されますが、キングレオ城からフィールドに出る→城に戻る→オーリンに話しかけて最後の言葉を聞いた後に更に話しかけないといけないので見逃した人も多いはず。

因みに彼がしかばねになったと同時に全滅曲「エレジー」が流れますが、DQでは全滅曲が死亡イベントで使われた初のケースだったり、第五章になると「フレノール」の町で生存を確認できるので「へんじがない。ただの しかばね のようだ。」のメッセージを出しながら生還した唯一の人間キャラだったりとオーリンは何気に優遇されているキャラとも言えます。

そう言えばオーリンはキングレオ城の「まほうのカギ」でしか開けれない扉を無理やりこじ開ける程のパワー系ですが一応、錬金術師なんですよね。

完全な余談ですが、パワー系錬金術で他に浮かぶのは「鋼の錬金術師」に登場する豪腕の錬金術師「アレックス・ルイ・アームストロング」です。

一見パワー系にしか見えないアレックス少佐ですが、アメストリス屈指の名家出身で様々な技能を修め文武両道を体現している非常に有能な人物。

でも、その優しすぎる性格ゆえに非情になれず出世できない人間臭さもあったりと個人的にかなり好きなキャラです。

【DQ5】遂に見つけた妻をただの石像扱い??

「大神殿」で白骨死体と化した「マリア」の兄「ヨシュア」に話しかけると表示され、続いて彼から妹マリアへ宛てたダイイング・メッセージも表示されます。

因みにですがリメイク版でこのダイイング・メッセージを見た後の娘ちゃんのセリフは慈愛と純真に満ちていてお気に入り。

同じく大神殿で妻の石像に話しかけた時には「へんじがない。ただの しかばね のようだ。」の派生型である「返事が ない…。ただの 石像のようだ。」と表示されます。

FCの後継機SFCで発売されROM容量も大幅にパワーアップしたので漢字も使われるようになりましたね。(それでもDQ5のROM容量は1.5MB(1536KB)と大体スマホの写真1枚くらいの容量)

やっと見つけた妻をただの石像扱いしていますが、「しかし 石像は あまりにビアンカに そっくりだった!」とフォローのメッセージもあったり演出が凝っているのは流石です。

【DQ6】「死◯」表記でドラクエの進化を実感

「嘆きの牢獄」に存在する魔物の屍に話しかけると表示され、「死体」という言い回しが併用されたメッセージも続きます。

ここの「死体」表記は当初ROM容量制限によって「したい(死体)」から「しかばね(屍)」に変更された経緯を知っているとドラクエの進化を実感できますね。

DQ6は「へんじがない。ただの しかばね のようだ。」の表示は少ないんですが、派生型が多く登場します。

「地底魔城」にあるガイコツを調べると、

と表示されます。

「天馬の塔」の最上階にあるペガサスの像に話しかけると前作DQ5の妻の像と同じく、

と表示されます。

とても細かいんですが、なんで5は「石像」だったのに6は「石ぞう」なんでしょうね、まあ比較すると「石ぞう」のほうがドラクエっぽいですが。

「牢獄の町」のボス「アクバー」を倒した翌日に石にされた住人たちに話しかけると、

とだけ表示されますが、BGMも流れなくなり、階段の昇降等のSEのみが響くのでトラウマになっている人も多いイベントですね。

ドラクエの無音演出は結構ありますが、DQ7で「リートルード」の町全体の時間を止めるとBGMまで止まるのでかなり焦燥感を憶えた記憶があります。

DQ5プロポーズ前の無音は人生の一大イベントを巧みに表現した秀逸な演出だと思います。

リメイク版では振り子時計のチクタク音も追加され更に深みも増しましたね。

【DQ7】鬱展開が多いのに・・?

鬱展開が多いことで有名なDQ7ですが意外にも「へんじがない。ただの しかばね のようだ。」のメッセージは存在せず、派生型がひとつあるのみです。

神父の姿で獲物を待ち構えている「さんぞくマージ」に話しかけると、「話しかけても 返事はない。だが 死んでいるわけではなさそうだ。」と表示されます。

話しかけた後は「山賊四人衆」との戦闘になりますが、一見弱そうと侮ったプレイヤーに深いトラウマを植えつけたDQ7でも屈指の強ボスなんですよね。

因みに負けると生き埋めにされ、なかなかシュールな絵面が見れます。

生き埋め後ブチ切れながら復讐を誓うマリベルかわいい。

【DQ8】魔犬レオパルドの刹那の刻

魔犬レオパルド襲撃イベント時に「法皇の館」で倒れた兵士に話しかけると「へんじがない。ただの しかばね のようだ。」が表示されます。

襲撃してきた魔犬レオパルドにすぐ話しかけてしまうと戦闘が始まり、メッセージが見れなくなるので注意。

正にそれで撮り忘れたのでレオパルドとの戦闘写真を載せときますね。(この戦闘前に兵士が倒れています)

余談になりますが、レオパルド撃破後に行く「煉獄島」でのヤンガスとゼシカのクサい芝居は面白いです。

↓はスマホ版なのでボイスはありませんが、フルボイス3DS版でのヤンガスとゼシカの棒読み演技は必聴。(ヤンガスのCVは立木文彦さん、ゼシカのCVは竹達彩奈さん)

【DQ11】とにかく面白い派生型メッセージが豊富

2Dモードでの「荒野の地下迷宮」や、「バラモス城」(冒険の書の世界)のガイコツに話しかけると「へんじがない。ただの しかばね のようだ。」が表示されます。

DQ11では「ただのしかばねのようだ」が見られるのは以上だけですが、派生型がめちゃくちゃ多く登場します。

全て紹介してもいいのですが、多すぎてダレると思うので特に面白い派生型メッセージに絞ってご紹介しますね。

「ダーハルーネの町」でのカミュ救出イベント中に宿屋へ避難しているおばあさんに話しかけると「返事がない。おびえて ふるえているようだ。」と表示。

「海底王国ムウレア」の武器・防具屋のサメに話しかけると「返事がない。人間の言葉は通じないようだ。」と表示。(サメかわいい)

世界に異変が起きた後の「クレイモラン城下町」で黄金化したおばあさんに話しかけると「返事がない。ただの 黄金の像に なっているようだ…。」と表示。

厳密に言うと、「返事が ない…。ただの 石像のようだ。」の派生ですね。

まとめ

長文乱文失礼しました、最後にまとめて終わりますね。

  • 「へんじがない。ただの しかばね のようだ。」は他の作品でパロディに使われることも多い非常に有名なDQの名言のひとつ
  • 「しかばね(屍)」は当初「したい(死体)」の予定だったが「~したい」(希望の助動詞)と捉えられるおそれがあるので、あえて「しかばね(屍)」に変更された
  • 初代DQ1には登場しないが、リメイク版にて「りゅうおう」撃破後に「ラダトームの町」の兵士に話しかけると表示
  • DQ2にはリメイク版含めて登場しないが、リメイク版では伝令兵の屍が残るようになったので話しかけると敬意を感じられる専用メッセージが表示
  • DQ3で初めて「へんじがない。ただの しかばね のようだ。」が登場した
  • DQ4のパワー系錬金術師オーリンからの「へんじがない。ただの しかばね のようだ。」は屈指の見逃しポイント
  • DQ5からROM容量も大幅に増えたので漢字が使われるようになった
  • DQ6の「死体」表記は「したい(死体)」から「しかばね(屍)」に変更された経緯を知っているとドラクエの進化を実感できる
  • 鬱展開が多いDQ7には意外にも「へんじがない。ただの しかばね のようだ。」は存在しない
  • DQ8「煉獄島」でのヤンガスとゼシカのクサい芝居は面白く、フルボイス版は必聴
  • DQ11は面白い派生型メッセージがとにかく多い
タカリ

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