こんにちは、タカリです。
今回は「エアリス」を本気で研究していきます。
エアリスはFF7の登場人物で、ティファと並ぶヒロインのひとりですね。
そのティファとはビジュアル、性格共に対照的で一見清楚でおしとやかに見えますが感情豊かで性格も明るく積極的にグイグイくるエアリスに心奪われたプレイヤーも多いのでは?
そしてそのプレイヤーたちを悲劇と煉獄の深淵へと叩き落としたあまりにも有名なエアリスとの永遠の別れ・・
別れが悲し過ぎたプレイヤーたちはこぞってなんとか彼女の死を回避できないか、生き返らせる方法はないのかと有りと有らゆる検証がなされた結果とんでもない量のデマが生まれましたね。
この記事を読めば今まで以上にエアリスの魅力に気づき、そして更に好きになりFF7に逢いに行きたくなること間違いありません。
エアリス・ゲインズブール
この章では「エアリス」をつぶさに紹介していきます。
データは主に公式攻略本「ファイナルファンタジーVII 解体真書 ザ・コンプリート(改訂版)」から引用させてもらっています。
出典:ファイナルファンタジーVII 解体真書 ザ・コンプリート(改訂版)
攻略本「解体真書」の元ネタは勿論1774年にオランダ語の書籍「ターヘル・アナトミア」を杉田玄白、前野良沢、中川淳庵らによって翻訳された解剖学の図鑑「解体新書」ですが、FF7を先に知った当時小学生の私はFF7のマネか~と思っていました、無知とは恐ろしいですね。
改訂版と言っても巻末にインターナショナル版における変更点が10ページほど追加されただけで本の内容そのものは無印版とほぼ同じです。
登場キャラクターの独白を借りた記述は必読の内容で、例えば悲劇の地「忘らるる都」攻略ページでのクラウドの独白のタイトルが「物言わぬエアリスをかき抱きて」なんですが、もうこのタイトルだけで涙が・・FF7クリア済の方は情景が鮮明に浮かびますよね。
出典:ファイナルファンタジーVII 解体真書 P166
さらに、エアリスの独白「クラウドの夢の中」をかけ合わせると破壊力は「メテオ」と「ホーリー」を遥かに凌駕します。
出典:ファイナルファンタジーVII 解体真書 P164
この独白は、クラウドがエアリスを殴りつけ、仲間に止められて気を失ったときの夢(眠りの夢)でのエアリスの独白。
出典:ファイナルファンタジーVII
因みに本編でエアリスの台詞が聞けるのはこの夢の中が最後、つまり、クラウドとの最後の会話の詳しい心境なので必読中の必読なんですね。
FF7リメイク発売時には中古価格が何倍にも跳ね上がりましたが、流石に落ち着いたようで今はお求めやすい価格になっています。(改訂版の方が若干高い)
個人的に登場キャラクターの独白、開発者インタビューだけでも読む価値は十二分にあると思っています。
ディレクター北瀬佳範さんのインタビュー記事にはN64用として開発されていたけど没になった幻の「64版FF7」のニブルヘイムの写真がさらっと載っていたりします。
出典:ファイナルファンタジーVII 解体真書 P333(北瀬佳範 インタビュー)
プロフィール
本名・エアリス・ゲインズブール
年齢・22歳
身長・163cm
血液型・O型
誕生日・2月7日
出身地・アイシクルロッジ
使用武器・ロッド
CV・坂本真綾
名前の由来
エアリスの名前の由来は「EARTH(大地)」なのは有名ですが、ファミリーネームの「ゲインズブール」はフランスの作曲家、作詞家、歌手である「セルジュ・ゲンスブール」からだと野島一成さん(FF7シナリオ担当)のインタビューで明かされています。
出典:Wikipedia
セルジュ・ゲンスブール(1928年4/2~1991年3/2)
エアリスは育ての義母「エルミナ・ゲインズブール」の性を名乗っていたみたいですね。
出典:ファイナルファンタジーVII
実の両親は父「ガスト・ファレミス」と母「イファルナ」なので、アイシクルロッジの悲劇までは「エアリス・ファレミス」だったのでしょうか。
ファレミスなので少しややこしいですが、元ネタは間違いなくファミレス(ファミリーレストラン)の「ガスト」だと思われます。
出典:ガスト|ファミリーレストラン すかいらーくグループ(公式)
他にもミッドガルの市長「ドミノ市長」は「ドミノ・ピザ」、彼の部下「ハット」は「ピザハット」、ミッドガル自体も元ネタはピザ・・。
スタッフさんたちはお腹がへっていたのでしょうか。
出典:ファイナルファンタジーVII
ピザが食べたい。
ティファとは対照的なビジュアルと性格
冒頭でもお伝えしましたが、ティファとエアリスはビジュアルと性格が対照的になるように設定されています。
これは攻略本「解体真書」の開発者インタビュー(イベントチーム)で明言されています。
「キャラクターデザインをした野村から基本的な設定がまわってきて、それに合わせてシナリオというかセリフを書きました。ティファとエアリスは、見た目とは反対の性格をつけようとしています。絵だけを見るとティファのほうが元気がよさそうですが、実際はエアリスのほうがイケイケというか場を仕切る女性なんですね」
出典:ファイナルファンタジーVII 解体真書 P183(FFVII開発者イベントチームインタビュー)
一見ティファの方が露出度が高く積極的なイメージですが、蓋を開けるとグイグイくるエアリスのギャップにやられたプレイヤーも少なくないと思います。
制作陣のビジュアルと性格付けのこだわりは随所に見られ、台詞は勿論キャラの所作もかなり細かく設定されているので幾つかご紹介します。
ワイルドなティファとたおやかなエアリスの寝姿の違い
出典:ファイナルファンタジーVII
エアリスの戦闘終了後に身なりを整える姿
出典:ファイナルファンタジーVII
神羅ビル非常階段でスカートを抑え恥ずかしがるティファ
出典:ファイナルファンタジーVII
なんとこのティファのアクションは非常階段から攻略しないとみること叶わない専用アクションなので、未見の人も多いのでは?
これらはごくごく一部ですが、それでも制作陣の熱い想いが伝わってきますよね。
皆さんの一推しアクションがあれば教えて下さい♪
エアリス出生の秘密
結論から言うと「エアリス」は「古代種(セトラ)」と人間のハーフです。
前述した通り父はガスト・ファレミス(人間)、母はイファルナ(古代種)でアイシクルエリアの大氷河近くにある小さな村「アイシクルロッジ」で生まれました。
出典:ファイナルファンタジーVII
ゲーム本編ではディスク2の序盤で訪れますが、エアリスの家で再生したビデオには生後わずか20日のエアリスの前でガストが宝条たちに銃殺される衝撃的なシーンが映っています。(正確には音声のみ)
出典:ファイナルファンタジーVII
そして、イファルナとエアリスは実験体としてミッドガルの研究施設へ連れて行かれ7年間過ごし、イファルナは隙を突きエアリスとなんとか脱走しますが衰弱しきっていたためミッドガルの駅のホームでこと切れる寸前通りかかったエルミナ・ゲインズブールにエアリスを託すシーンに繋がります。
出典:ファイナルファンタジーVII
エルミナの回想シーンはマップをスクロールさせる秀逸な演出と初披露される「エアリスのテーマ」との相乗効果が煥発し何度見ても泣けますよね。
ガスト・ファレミス
エアリスの実の父親である「ガスト・ファレミス」、通称「ガスト博士」を紹介していきます。
出典:ファイナルファンタジーVII
彼は元々神羅カンパニー所属の天才科学者で「ジェノバ・プロジェクト」の最高責任者でした。
ジェノバ・プロジェクトとはざっくり説明すると“「ジェノバ細胞」を人間に植え付け古代種(セトラ)の能力を持った人間を人工的に作り出す計画”。
この説明を読んで矛盾した計画だとすぐに察したあなたはFF7をかなり理解されている方です。
古代種(セトラ)の能力は幾つかあって詳しくは後述しますが、結論を言うと神羅が欲している能力は「約束の地」を探す能力。
出典:ファイナルファンタジーVII
神羅は古代種(セトラ)の人間を人工的に作り、その能力を使って「約束の地」にあると考えている魔晄(ライフストリーム)が豊富な土地を見つけ、そこに新たなミッドガルを作る「ネオ・ミッドガル計画」という壮大な計画を立てました。
つまり、ジェノバ・プロジェクトとはそれに付随する計画なんです。
クラウドたちが物語序盤神羅ビルに侵入した際に盗み聞きした重役会議でネオ・ミッドガル計画の再始動が決定していますが、その後すぐにプレジデントは殺され息子ルーファウスも約束の地には興味津々でしたがネオ・ミッドガル計画についてはほとんど言及しておらず影が薄い計画で、付随するジェノバ・プロジェクトの方がプレイヤーには馴染みがありますよね。
出典:ファイナルファンタジーVII
2000年前の地層から見つかった仮死状態の生物に「ジェノバ」と名付けたガスト博士が、その生物を「古代種」と誤認したまま「ニブルヘイム」の「神羅屋敷」でジェノバ・プロジェクトが進められた結果生まれたのがFF7のラスボスであり、絶対的なカリスマ性を持つ「セフィロス」。
そうです、ガスト博士はジェノバを古代種と間違えてしまったんです。
セフィロス誕生から数年後にジェノバは古代種ではないと気づいたガスト博士は逃亡し、ジェノバ・プロジェクトは宝条が継承。
逃亡時に間違いだらけの研究文献を処理しなかったのでそれを読んだセフィロスが暴走、宝条もその研究を暴走させるなど、ガスト博士は物語の元凶といっても過言ではありません。
出典:ファイナルファンタジーVII
一応フォローしておくと、ジェノバは細胞レベルにまで至る擬態能力があり、ガスト博士が地層から見つけたジェノバは古代種の女性に擬態していたので(2000年前の古代種との戦いの際に擬態)誤認してしまうのは分かりますが、それを加味してもやっぱり無責任が強いかなと思います。
出典:ファイナルファンタジーVII
ガスト博士の逃亡先は「アイシクルロッジ」で、そこで純血の古代種としては最後のひとりであるイファルナと出会い、愛を育みました。
出典:ファイナルファンタジーVII
アイシクルロッジへ行った経緯は不明ですが、おそらくその周辺の「北の大空洞」でジェノバは発見されたので再調査のためでしょうか。
愛を育むのはとても素敵なことなんですが、ジェノバが発見された「アイシクルエリア」の捜索優先度は神羅からしたら比較的高いので、2年間も呑気に暮らし続けたのは愚の骨頂と言わざるを得ないです。
現に神羅(宝条)はすぐに彼らを見つけて密かに監視し、2年の間“サンプル”が生まれるのを泳がせながら待っていました。
そう、そのサンプルとはエアリスのことで、この章の冒頭でも書いたビデオ映像に繋がります。
出典:ファイナルファンタジーVII
出典:ファイナルファンタジーVII
もし、逃走前に間違いだらけの研究文献を全て処分&ガスト博士を慕っていたセフィロスになにか少しでも言葉をかけていたなら、少なくともこんな最悪の悲劇にはならなかったはず。
出典:ファイナルファンタジーVII
更にフォローしておくと、逃走直前までガスト博士が交流していた「コスモキャニオン」の長老から自責と後悔の念からかひどく憔悴していたと聞けるので、余裕が全くなかったと推察できます。
出典:ファイナルファンタジーVII
はっきり言って、私はガスト博士が大嫌いです。
これでもかなり控えめに書きましたが、もしご気分を害されたならば申し訳ありません。
いずれ、辛辣さ全開でガスト博士の記事を書く予定。
イファルナ
エアリスの実の母親である「イファルナ」を紹介していきます。
出典:ファイナルファンタジーVII
結論から言うと、彼女は純血の古代種(セトラ)最後の生き残りです。
古代種(セトラ)については未だ謎な部分が多いですがざっくりまとめると、
- 遥か昔には多く存在していたが、2000年前のジェノバとの戦いでほとんどが命を落とし最後の血筋であるエアリス没後は絶滅したとされている。
- 星と対話できる「星読み」と「約束の地」を探す能力を持っている。
- メテオに対抗できる唯一無二の究極の白魔法ホーリーを発動できる。
神羅ビル独房内でエアリスはイファルナから聞かされていた数少ない古代種の情報である約束の地について話してくれています。
出典:ファイナルファンタジーVII
全文は『セトラの民、星より生まれ、星と語り、星を開く。セトラの民、約束の地へ帰る。至上の幸福、星が与えし定めの地』
イファルナは先祖と星から受け継いできた豊富な知識があるはずですが、エアリスの安否を心配してか古代種の事をあまり話していなかったみたいですね。
出典:ファイナルファンタジーVII
そして、イファルナはエアリスにこんな言葉も残しています。
『星と話して、エアリスの約束の地、見つけなさい』
出典:ファイナルファンタジーVII
エアリスはこの母からの言葉をどう咀嚼し、どんな想いで最期を迎えたのでしょうか。
出典:ファイナルファンタジーVII
「約束の地」とは遥か昔、古代種たちが探し求めていた伝説の地とされていて、FF7の重要な鍵のひとつですが登場人物の解釈はそれぞれ違っています。
前述した通り神羅にとってはライフストリーム(魔晄)が豊富な場所、EDでのクラウドは『わかったような気がする、星からの答え・・約束の地・・そこで会えると思うんだ』とティファといい雰囲気になりながら何かを掴んでいたようでした。
出典:ファイナルファンタジーVII
約束の地がなにかとはあえてハッキリさせず、プレイヤーの解釈によって変化するように意識したと、本作のキャラクターデザインを担当された野村哲也さんのインタビューで明かされています。
(野村さんの解釈では、約束の地は「ミッドガル」)
―エンディングがこれまでの「FF」とは異なり、人によって解釈が変わってくるように思われますが?
野村哲也「それは意識してやりました。人によっては北の大空洞が約束の地だと考えるかもしれませんし、大地に根ざしたすべての場所が約束の地だと言う人もいるかもしれません。ただ個人的には、エンディングで緑が生い茂っている場面や、エアリス・・つまり古代種がたくさんのライフストリームを導いているところから、ミッドガルが約束の地なのかなと考えています。シナリオ担当の野島さんがどう言うかはわかりませんけど(笑)」
出典:ファイナルファンタジーVII 解体真書 P33(野村哲也 インタビュー)
もしかすると私たちがこの世に生まれ、存在する理由は自分自身の”約束の地”を探すためなのかもしれませんね。
これを今読んでいる人は自分の”約束の地”はみつかりましたか?
私はみつかっていませんが、別に急いでいません。
その道中を楽しんでいる最中です。
出典:HUNTER×HUNTER 第32巻 339話「静寂」 冨樫義博
「HUNTER×HUNTER」ジンの名言を丸パクリ
エアリスの死
エアリスを語るのに絶対はずせないのはやっぱり彼女との永遠の別れですよね。
DISC1最後の目的地「忘らるる都」でのあまりの唐突の別れにセフィロスの言葉は全く頭に入らず、ジェノバとの戦闘中も流れ続ける「エアリスのテーマ」、そして無慈悲にも美しい水の遥か深淵へと消えゆくエアリスに世界中のプレイヤーが涙しました。
出典:ファイナルファンタジーVII
なぜこんなにも悲しいのか?
登場人物の死はFFやドラクエに限らず、あらゆる作品で見られる描写なので特段珍しいことではないのですが、なぜエアリスの死はこんなにも多くのプレイヤーに巨大な喪失感を与えたのでしょうか。
出典:ファイナルファンタジーVII
それは従来のドット絵や文章効果音とは違い、3DCGを用いた表現に大きく進化したことによって日常と非日常の狭間に茫漠とですが確かに在る“死”をよりリアルに感じたから、そして何よりエアリスという魅力溢れるヒロインとの永遠の別れが、ただただ悲しかったからだと思います。
出典:ファイナルファンタジーVII
FF7は発売から26年経っているので流石に時代を感じますが、当時はとんでもないイノベーションだと滅茶苦茶話題になりましたよね。
腕がダンベルみたいとよく言われています、たしかに似てる。
出典:ファイナルファンタジーVII
もう販売は終了していますが「ファイナルファンタジーVII リメイク発売記念くじ」のG賞に、当時のポリゴンを忠実に再現したミニフィギュアが登場して話題になりました。
出典:ファイナルファンタジーVII リメイク発売記念くじ
画面からそのまま飛び出したような再現度ですよね。
因みにシークレットはクラウド女装ver.で、今は1万円くらいのプレミアム価格になっています。
出典:ファイナルファンタジーVII リメイク発売記念くじ
出典:ファイナルファンタジーVII
復活ネタの女神様
当時エアリスの死を嘆き受け入れられないプレイヤーたちは、彼女を生き返らせる方法を本編のストーリーそっちのけで探し続けた結果、とんでもない数のガセネタやバグ技が広がりました。
故にエアリスは復活ネタの女神様と呼ばれています。
結論を言うとエアリスは絶対に生き返ることはありませんが、彼女への強い愛から生まれた復活ネタを有名な2つにしぼってご紹介します。
出典:ファイナルファンタジーVII
水中呼吸のマテリア
エアリスを生き返らせるために必要なマテリアとして大きく広まったガセネタです。
おそらく、エアリス水葬→「水中呼吸のマテリア」で水中まで行き何かしらの方法で蘇生させる&悲劇の地「忘らるる都」は青を基調としていて水を連想させる相乗効果も重なって大きく拡散されたと思われます。
出典:ファイナルファンタジーVII
このガセネタはFF7発売後しばらくして「FF7ネットワーク」というサイトの掲示板で「FF博士」と名乗る人が発信しました。
そのガセネタをざっくりまとめると、
1・セーブクリスタルを使わずにラスボスのセフィロスから「水中呼吸のマテリア」を盗む。
2・「水中呼吸のマテリア」を使って「モグチョコボ」に乗りライフストリームが噴出した村(おそらくミディール)付近の海底にある洞窟に入る。
3・1/20の確率で出会う「ライフイーター」に吸い込まれたらボタン連打で体内に入る事ができる。
4・体内に入れたら後は自分で確かめて欲しい。
と、やけに具体的な内容なので信じる人が続出。
いや、そもそも水中呼吸のマテリアなんていうマテリアは存在しないのでは?と疑問に浮かんだ人に補足すると、FF7発売前の97年1/10に「ファイナルファンタジー7 公式設定資料集」が発売されたのですが、その資料集の写真に「のろい」「MPコマンド」などの没マテリアと共に「すいちゅうこきゅう」というマテリアが紹介されていたので、FF博士の発信は一気に信憑性が増したんです。
出典:ファイナルファンタジー7 公式設定資料集
余談になりますが、このガセネタが広まったのはまだインターネット黎明期の97年2~3月頃(FF7は97年1/31発売)です。
総務省「通信利用動向調査」によると97年のネット利用率はたった9.2%で80%を超えている令和の現代と比較するとかなり低いのが分かりますよね。
私は99年頃にPCを使い始めたので、このガセネタをリアルタイムで見れていないんですよね。(少し残念)
ガジェット好きな父が買ってきた「Windows 98」搭載のPCを使わしてもらったのですが、雷に打たれたような衝撃を受けてインターネットの世界にどっぷりとハマっていったのを憶えています。
こんな感じのPC(NEC製)でした、価格は30万~40万くらいでしょうか?とても重くて鈍器。
話は戻りますが水中呼吸のマテリアは没になっているので、当然ゲーム本編では見ることも使うこともできないのですが、製品版ディスク内のデータにはしっかりと存在しています。
下手に削除するとバグ発生の可能性もあるので、没データでもそのままにしておくのは割と普通で、その没データをROM解析などで発見されるという訳です。
ドラクエシリーズ生みの親である堀井雄二さんがFF7のROM解析を行い“「せんすい」って名前の何かを仕込んであるのでエアリス生存ルートあるんでしょ?”とFFシリーズ生みの親の坂口博信さんに突っ込んだのは有名で面白い話ですよね。
「せんすい」(潜水)とはFF7インターナショナル版で追加されたマテリアで、通常は20分の時間制限がある「エメラルドウエポン」戦の時間制限をなくす効果を持っています。
明言はされていませんが、おそらく没になった「すいちゅうこきゅう」(水中呼吸のマテリア)が原型になっていると思われます。
出典:ファイナルファンタジーVII
攻略本「解体真書」の開発者インタビュー(バトル&マテリアチーム)ではすいちゅうこきゅう(水中呼吸のマテリア)が没になった経緯について、
―ボツになったマテリアはありますか?
バトル&マテリアチーム「”泳いでいくダンジョン”で『すいちゅうこきゅう』のマテリアをつけていないとおぼれてしまい、中に入れないという企画を考えましたが、開発途中でなくなってしまいました。」
出典:ファイナルファンタジーVII 解体真書 P59(バトル&マテリアチーム インタビュー)
と、明かされています。
攻略本「解体真書」が発売されたのはFF7が発売してから約2か月後の97年3/10なので、ネット、学校、職場などで97年2月~3月頃盛り上がりまくっていた「水中呼吸のマテリアを使えばエアリスは生き返る」というガセネタはこのひとつの公式情報によって実質終止符が打たれたのですね。
当たり前ですが、公式強し‥(笑)
サガフロワープ
2つ目の復活ネタは通称「サガフロワープ」という「サガ フロンティア」のディスクを利用したバグ技についてご紹介します。
サガ フロンティアとはスクウェア(現スクウェア・エニックス)が1997年7/11に発売したPS用ソフトのRPGで、2021年4/15には容量の都合により実装されていなかったイベントや新主人公の物語が追加されたリマスター版が配信され話題になりました。
出典:サガ フロンティア
サガフロワープのやり方は至ってシンプルで、FF7のフィールドマップでゲームディスクをサガ フロンティアのものに入れ替えるだけです。
原理のイメージ的にはPS2リメイク版「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」のオープントレイ技に近いと思います。(こっちは更に簡単)
お察しの通りガチガチのアナログ技なので実機限定のバグ技ですね。
バグ技の手順をざっくりまとめると、
1・「FF7」のフィールドでゲームディスクを「サガ フロンティア」のものに入れ替える。
2・「サガ フロンティア」のディスクを読み込むと地形がバグる。
3・そのバグった地形は進めるので普通なら絶対に行けない場所に行ける。
出典:ファイナルファンタジーVII
少し見づらいですがこんな風に地形がバグります。
要はこの技を使い忘らるる都で起こる悲劇を回避して、エアリスをPTに入れたまま強引に物語を進めるという訳です。
なので便宜上「復活ネタ」に分類していますが、正確にはエアリスを死亡(離脱)させない技なんですね。
バグ技で強引に進めているだけなので物語は当然一切変化しませんが、永久離脱していて台詞データは本来不要なのにエアリスの台詞が用意されている場面が幾つかあります。
コンドルフォートのヒュージマテリア争奪戦で全滅すると「みんなは?」「わたし・・・命、救えなかった・・・」、アイシクルロッジからスノーボードで大氷河に到着後「も~、イヤ」「ねぇねぇ、□ボタンで地図、見てみようよ」などです。
実は当初、野村哲也さんの構想ではエアリス復活イベントが用意されていましたが坂口博信さんに命の重みを大切にしろと指摘され没になったので、これらの台詞はその名残なんです。
出典:ファイナルファンタジーVII
因みにサガフロワープのバグ技は「チョコボの不思議なダンジョン2」に付属している「不思議なデータディスク2」でもできたりします。
出典:チョコボの不思議なダンジョン2
でも、関連していていけそうな「不思議なデータディスク1」や「サガフロンティア2」のディスクではできません。
そもそも、こんな奇想天外なバグ技をだれが発見したのか、なぜ特定のディスクでしかバグが起きないのか本当に謎ですよね。
色々調べていたらどうやら他にもファミコンの「スーパーマリオブラザース」をプレイ中に同じファミコンの「テニス」に入れ替えることで、不正規ステージを遊べるというバグ技もあるみたいです。
出典:テニス
原理はテニス側で歩数のカウントしているメモリアドレスが存在し、それがマリオ側のステージ数のメモリアドレスと同一であり、そのアドレスのデータはリセットしてもリセットされない為らしいですが、知識がないと全く意味不明ですね。
要はソフト同士の相性が良い(悪い)とできる感じなんでしょうか。
PlayStation対応として発売されたゲームソフトは全3289タイトルもあるので、バグ技可能なソフトがまだあるかもしれませんね。
もし、他にもバグ技可能なソフトを知っているという方は教えて下さい♪
※紹介したサガフロワープはエアリスを離脱させないだけではなく、海チョコボなしでナイツオブラウンドを取得できたりと面白いのですが、あくまでバグ技なのでフリーズ、セーブデータの破損、最悪PlayStation本体が壊れても全く不思議ではない荒技なのでサガフロワープの使用は自己責任でお願いします。
まとめ
長文乱文失礼しました、最後に「エアリス」をまとめて終わります。
- エアリスの名前の由来は「EARTH(大地)」
- ファミリーネームの「ゲインズブール」はフランスの作曲家、作詞家、歌手である「セルジュ・ゲンスブール」が由来
- ティファとエアリスはビジュアルと性格が対照的になるように設定されている
- エアリスは「古代種(セトラ)」と人間のハーフ
- エアリスの死はただひたすらに悲しすぎる
- エアリスは復活ネタの女神様と呼ばれている
- 「水中呼吸のマテリア」とはエアリスを生き返らせるために必要なマテリアとして大きく拡散されたガセネタ
- 「サガフロワープ」とは「FF7」のフィールドでゲームディスクを「サガ フロンティア」のものに入れ替えて地形をバグらせ、普通なら行けない場所に行けるようになるバグ技
出典:ファイナルファンタジーVII
\Nintendo SwitchのDL版!/
\登場キャラクターの独白を借りた記述は必読/
「【FF7】エアリスを本気で研究しました。」の研究記事はどうでしたか?
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