こんにちは、タカリです。
今回は『ファイナルファンタジーIX』(以下、FF9)に登場するヒロインであり、「アレクサンドリア王国」第17代王女「ガーネット・ティル・アレクサンドロス17世」(以下、ガーネット)を、本気で研究していきますね。

出典:ファイナルファンタジーIX
名前がシリーズ屈指の長さを誇るため、フルネームで呼ばれることは少ないものの、その語感の良さから、ファンの間では「フルネームで呼びたくなるFFヒロイン」としても知られています。

出典:ファイナルファンタジーIX
「ガーネット」は、長く艶やかな黒髪を持つ16歳の少女で、その美しさから「王国始まって以来の美姫」と称される、アレクサンドリア王室の次期王位継承者。
FF9のテーマは「原点回帰」ということもあってか、物腰は上品でやわらかな反面世間知らず、白魔導士風のマントを着用、「私をさらってください」というお約束のセリフまであったりと、王道のヒロイン像を余すところなく詰め込まれたのが、ガーネットなんですね。

出典:ファイナルファンタジーIX
本記事は、そんな王道のヒロインを精緻に体現する彼女を徹底的に研究し、明らかにしているので、最後までお付き合いいただけると幸いです♪
王国はじまって以来の美姫「ガーネット」に迫る
こちらの章では、FF9のヒロイン「ガーネット」を、徹底的に研究していきますね。

出典:ファイナルファンタジーIX
データは、主に編集プロダクション「スタジオベントスタッフ」著作による、公式攻略本「ファイナルファンタジーIX アルティマニア 」(以下、FF9アルティマニア)から引用&参考にさせてもらっています。

出典:ファイナルファンタジーIX アルティマニア
とんでもない情報量と、広辞苑のような分厚さで有名な攻略本「アルティマニアシリーズ」。
中でも「FF9アルティマニア」が発売されるまでの経緯は、シリーズでも異例中の異例でした。
当時のスクウェア(現スクウェア・エニックス)の社長・坂口博信さんの意向により、紙媒体での攻略本は発行されず、代わりに公式ホームページ上で「ファイナルファンタジーIX オンラインアルティマニア」として公開されることになったのです(公開期間:2000年12月29日〜2002年2月28日)。
しかも、従来の紙の攻略本と変わらぬクオリティの記事が、なんとすべて無料で公開されました。
これには、『ネットで配信なんて未来的でステキ!しかも無料!』『攻略本はやっぱり紙で読みたい!』などなど、当時は賛否両論が激しかったと記憶。
私はというと、当時すでにPCでバリバリネットを楽しんでいたので、大喜びでアクセスしましたが、回線は「ダイヤルアップ接続」。
ゲーム内画像がふんだんに使われた「オンラインアルティマニア」はとにかく重く、
「あ、これは無理だ」と察して、そっとページを閉じたのを今でも鮮明に憶えています。

出典:ファイナルファンタジーIX アルティマニア P402
↑は現在も発売されている、電子版の1ページです。
信じてもらえないかもしれませんが、この1ページ表示させるだけでも1分~2分かかっていました。
私のようなユーザーが少なくはなかったのか、方針は後に撤回されFF9発売から約1年半後にオンラインアルティマニアがほぼそのまま落とし込まれた紙版のFF9アルティマニアが発売される事となり、さらにその約2年後に電子版が配信されたというのが、ざっくりとした経緯です。
今は光回線などが普及していて、画像1枚なんて刹那の見斬りなので本当に素晴らしいですよね。

出典:星のカービィ スーパーデラックス
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ガーネット・ティル・アレクサンドロス17世
「ガーネット」は、2000年7月7日にスクウェア(現スクウェア・エニックス)より発売されたFF9のヒロインであり、「アレクサンドリア王国」第17代王女です。

出典:ファイナルファンタジーIX
長く艶のある黒髪を纏う16歳で、その絶世の美を持つことから「王国始まって以来の美姫」と呼ばれている、アレクサンドリア王室の次期王位継承者。
アレクサンドリア王国は「霧の大陸」三大王国のひとつで、物語序盤は女王「ブラネ」が治めていますが、中盤以降はブラネの死により、ガーネットが統治することになります。
ブラネは一見、ドラクエの「トロル」っぽいですが一応種族的には人間で、フルネームは「ブラネ・ラザ・アレクサンドロス16世」。

出典:ファイナルファンタジーIX
娘のガーネットとは似ても似つきませんが、実は両者には血縁関係はありません。
ブラネの実の娘、つまり本物の「ガーネット・ティル・アレクサンドロス17世」(以下、ガーネット(本物))は、6歳の時(1790年)に既に亡くなっています。
そのほぼ同時期に、女の子と母親が乗った小舟がアレクサンドリアに漂着しました。

出典:ファイナルファンタジーIX
OPで嵐の中を漂流している小舟ですね。

出典:ファイナルファンタジーIX
この小舟に乗っているのが、本編のヒロインであるガーネット(以下、ガーネット(偽))と、

出典:ファイナルファンタジーIX
ガーネット(偽)の母親で、顔も一瞬確認できます。(美人&ガーネット(偽)とそっくり)

出典:ファイナルファンタジーIX
母親はすでに事切れていていましたが、女の子はまだかろうじて息があり、なんと亡くなったガーネット(本物)と、うりふたつだったんです。

出典:ファイナルファンタジーIX
つまり、↑の小船に乗っているガーネット(偽)と、うりふたつの超美形の子がブラネから生まれたという事実。
ブラネとガーネットが似てないのは、実の母親ではなかったからと安心してからの、まさかの展開に驚きましたよね。(ちなみにガーネット(偽)と、ガーネット(本物)は共に1784年生まれなので、年齢も一緒)
この事実は実はとても重要なのですが、本編ではサラッと語られるだけなので、ブラネとガーネット(偽)に血縁関係がないことは理解していても、「ブラネから超美形の子が生まれた」と認識していない方は、意外と多く見受けられます。
この点は、ぜひ注意しておきたいところ。
そうして、先王(ブラネの夫で、1794年に死去)と、その妃であったブラネは、女の子をガーネット姫として育てることになります。

出典:ファイナルファンタジーIX
ガーネット(偽)は、6歳以前の記憶はショックで忘れていて、周囲からは「自分は城で生まれ育った」と聞かされていて、自身もそれを信じて過ごしていました。
物心ついてほどなく、「トット」が家庭教師に。

出典:ファイナルファンタジーIX
上記した小舟の回想はトットのもので、ガーネット出生の秘密を知る数少ない人物のひとりなんです。
この頃に劇作家エイヴォン卿の作品が好きになり、なかでも『君の小鳥になりたい』は劇中のセリフをそらで言えるほど。

出典:ファイナルファンタジーIX

出典:ファイナルファンタジーIX
物語最序盤で劇団タンタラスにより公演されるのが『君の小鳥になりたい』で、アレクサンドリアでは大人気の悲恋劇。
EDでも公演されるので、FF9は『君の小鳥になりたい』で開幕し、終幕するといっても過言ではありません。

出典:ファイナルファンタジーIX
劇に感激したブラネが「うおぉぉぉぉっ!!! がおぉぉぉぉっ!!! あおっ!! あおっ!! あおぉぉっ!!!」と、怪獣のような咆哮を上げているので初見時は驚くと思いますが、これは亡き夫(先王)&ガーネットと一緒に劇を鑑賞した日々を思い出して、感涙しているんです。(それを加味しても恐ろしいですが)

出典:ファイナルファンタジーIX
物語本編開始の約1年前(1799年)からブラネは、「クジャ」にそそのかされ次第に変調をきたすようになります。

出典:ファイナルファンタジーIX

出典:ファイナルファンタジーIX
優しかった母ブラネの変貌ぶりに心を痛めたガーネットは、「霧の大陸」三大王国のひとつ、「リンドブルム公国」の第11代大公「シド・ファーブル9世」を頼って城を抜け出すことを決意。
FF9本編開始後にリンドブルムからアレクサンドリアへ公演にやってきた劇団タンタラスの真の目的はガーネットの誘拐で、団員のひとりであり、FF9の主人公「ジタン」とガーネットが出逢うことで、物語は本格的に動き始めるという訳です。

出典:ファイナルファンタジーIX
ガーネットが城から抜け出す時に着用しているのマントの元ネタは、もちろんFF1から登場するジョブ「白魔道士」ですね。

出典:ファイナルファンタジーV
FF9のテーマは「原点回帰」ということで粋なファンサービスですが、この序盤のシーンでしか白魔道士ガーネットを拝めないのが残念。

出典:ファイナルファンタジーIX
FF9の物語では、彼女と彼女の身に起こる不幸な出来事が次々と降りかかるため、↑のような無垢な笑顔が輝く場面は非常に少ないです。
ガーネットは、王道のヒロイン像に伴う「苦悩するヒロイン」を色濃く体現しているキャラクターでもあるんですね。
コカ・コーラとのコラボCMでは、彼女の笑顔のバリエーションが余りにも少ないため、顔の3Dモデルが新規に作られたほどです。
FF9発売前にこのコラボCMがTVで流れていたんですが、訳もなく涙が止まりませんでした。
決してそれは悲しい涙ではなく、輝く勇気へとかわる涙。
たった30秒のCMにここまで心動かされたのは初めてだったので、鮮明に記憶しています。

出典:ファイナルファンタジーIX×コカ・コーラ
どうですか、ガーネットのこの笑顔。(かわいい)
FF9本編では、彼女のこんな屈託のない笑顔を見る機会はとても少なく、とても貴重です。
だからこそ、しっかりと目に焼き付けておきましょう。
ちょっと分かりづらいですが、CM最期にガーネットとビビが手を繋いでいるのが、ほっこりします。

出典:ファイナルファンタジーIX×コカ・コーラ
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ガーネット出生の秘密
「ガーネット」の出生の秘密についてご紹介します。
彼女は召喚士一族の村「マダイン・サリ」で暮らしてしましたが、召喚士の力を恐れた「ガーランド」が「クジャ」にマダイン・サリを滅ぼさせ、ガーネットと母親は小舟に乗ってなんとか逃げることに成功。(ここがOPの漂流シーン)

出典:ファイナルファンタジーIX
そうです、つまりガーネットは召喚士一族の末裔なんですね。
因みにPTメンバーの「エーコ・キャルオル」も召喚士一族の生き残りで、ガーネットがアレクサンドリアに漂着した時の年齢と同じ6歳の女の子。

出典:ファイナルファンタジーIX
エーコの両親は彼女が生まれてすぐに世を去り、「おじいさん」と呼び慕っていた人物も5歳の時に亡くなったので、今はモーグリたちと廃墟と化したマダイン・サリで暮らしています。

出典:ファイナルファンタジーIX

出典:ファイナルファンタジーIX
エーコについては、また研究記事を書きますね。
マダイン・サリの召喚壁から聞こえてきた村の歌がきっかけで、6歳までのガーネットの記憶が戻ります。

出典:ファイナルファンタジーIX
この記憶を取り戻すシーンは、ジタンがイプセンの芝居のコリンのセリフを引き合いにしてガーネットに語りかける作中屈指の名シーン。

出典:ファイナルファンタジーIX

出典:ファイナルファンタジーIX

出典:ファイナルファンタジーIX
なんだろう、
イチャイチャするのやめてもらっていいですか?
(いいぞもっとやれ)
母と思っていたブラネがそうでなく、やっと思い出した本当の母はすでにこの世にない。
ガーネットはふたりの母親を失ったんです。

出典:ファイナルファンタジーIX
しかし、彼女の中の霧は完全ではありませんが晴れ、その胸に自身の故郷の彩りが戻ったことを喜び、クジャと決着を着けるために旅を続けます。

出典:ファイナルファンタジーIX
召喚壁に残されているガーネット実父からの遺言で、彼女の本名が「セーラ」、実母は「ジェーン」だと判明しますが、これはFF1の王女と王妃が元ネタ。
ガーネットからは特に反応もなく、自分宛ての遺言と気づいたかすら不明で、物語の流れ上彼女が「セーラ」を本名と名乗ることも意識することもないので、それはもう本名とは言えないのかもしれませんね。

出典:ファイナルファンタジーIX
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数多のプレイヤーが囚われた「ショートカットの呪い」とは?
結論から言うと、「ショートカットの呪い」とは、決意を胸に立ち直ったガーネットが髪を切り、ショートカット姿で登場するあのシーンがあまりにも美しく可愛すぎて、以降“ショートカットしか愛せなくなる”という症状を指します。

出典:ファイナルファンタジーIX
この章では私を含め、多くのFF9プレイヤーが囚われた「ショートカットの呪い」を詳しくご紹介していきます。
物語をある程度進めるとガーネットは育ての母「ブラネ」の死、

出典:ファイナルファンタジーIX
女王即位後早々に第2の故郷「アレクサンドリア王国」の崩壊と、あまりにも自身にとって悲しく耐え難い事態が続いたため、言葉を失ってしまいます。

出典:ファイナルファンタジーIX

出典:ファイナルファンタジーIX

出典:ファイナルファンタジーIX
ちなみに、トラウマやストレス、不安、または心的外傷後ストレス障害(PTSD)などが原因で声がでなくなる「心因性失声症」(しんいんせいしっせいしょう)という病気が実際にあります。

このガーネットの症状は戦闘にも反映され、各コマンド入力後に「コマンド失敗! ダガーは集中できない」と表示され行動が失敗することも。(ダガーはガーネットの偽名)

出典:ファイナルファンタジーIX
しかも25%、つまり4回に1回となかなかの高確率な上に彼女が声を取り戻すまで続くので、この次期はPTから外されることが多いですね。(私はずっとPTに入れてましたが)
度重なる悲しみの連鎖により声を失ったガーネットですが、ジタンたちに幾度となく励まされ、時には自分と向き合うことによって、

出典:ファイナルファンタジーIX

出典:ファイナルファンタジーIX

出典:ファイナルファンタジーIX
その不安はやがてゆるやかに溶けていき、遂に声を取り戻します。

出典:ファイナルファンタジーIX
そして、ガーネットは自身の長く美しい髪と共に過去の自分とは決別し、限りなく愛したい未来へと歩き出します。
でわ、その伝説の断髪ムービーをご覧ください。
この笑顔を見てショートカット好きにならない人など、存在するのでしょうか?
しかも、このムービーは女王即位前のアレクサンドリア城をバックに振り返った時の、どこか悲しげで無理をしているガーネットの表情と、

出典:ファイナルファンタジーIX
過去の自分と決別し吹っ切れ、覚悟と柔らかさが生まれ同居したガーネットの表情との対比になっているんです、素晴らしい演出ですよね。

出典:ファイナルファンタジーIX
また、この断髪後はメニュー画面の顔アイコンもしっかりと変わりますが、リマスター版とオリジナルのPS版を比較すると、大きく変化しているのはご存知でしょうか。
断髪前
左がリマスター版で右がPS版。

出典:ファイナルファンタジーIX
断髪後
左がリマスター版で右がPS版。

出典:ファイナルファンタジーIX
私は断髪前→リマスター版、断髪後→PS版の顔アイコンが好きなんですが、みなさんはどちらのガーネットがお好みですか?
余談になりますが、↑のX(旧Twitter)のポストで書いている「陽ノ下光」ちゃんとは、1999年11月25日にコナミ(後のコナミデジタルエンタテインメント)からPS向けに発売された恋愛シュミュレーションゲーム「ときめきメモリアル2」(以下、ときメモ2)のメインヒロインで、彼女も「ショートカットの呪い」の使い手です。
発売日から分かる通り、ときメモ2の発売日はFF9(2000年7月7日発売)と近く、私の呪い遍歴は、まず「陽ノ下光」ちゃんのショートカットに呪われる→「ガーネット」の呪いで完全に止めを刺され、ショートカットしか受け付けなくなるというのが厳密な経緯。

出典:ときめきメモリアル2
以上で「ショートカットの呪い」の紹介は終わります。
まだ、この呪いにかかっていない方はクリア済み未プレイ問わず、ぜひFF9を遊んでみてください。
そして、ひとりでも「ショートカットの呪い」に囚われる方が増えたならば、FF9とガーネットを愛する者として望外の喜びです。

出典:ファイナルファンタジーIX
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まとめ
最後に、「ガーネット・ティル・アレクサンドロス17世」をまとめて終わります。
- ガーネットは、アレクサンドリア王国はじまって以来の美姫
- 王道のヒロインを精緻に体現している
- ブラネ女王とは血縁関係にない
- エイヴォン卿の作品が好きで、なかでも『君の小鳥になりたい』は劇中のセリフをそらで言える
- 召喚士一族の末裔
- 本名はセーラで、FF1の王女が元ネタ
- 数多のプレイヤーの心を「ショートカットの呪い」で囚えた
- 女王即位前の表情と、過去の自分と決別し吹っ切れた表情は対照的になっている

出典:ファイナルファンタジーIX
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